終身労働回避へ資産形成の重要性
人生100年時代が現実となり、定年退職後の人生が30年以上続く可能性もある現代。
多くの人が「退職金と年金だけで本当に生活できるのか?」という不安を抱えています。
かつては“老後=のんびり暮らす”というイメージでしたが、今では“老後=長期戦”という考えが現実味を帯びています。
その結果、定年後も働き続ける「終身労働」という言葉が生まれるほど、老後資金の確保が課題となっています。
では、老後に不安なく生きるために、私たちは今何をすべきなのでしょうか?
答えのひとつが「資産形成」です。

1. なぜ退職金と年金だけでは足りないのか?
かつては「退職金で住宅ローンを完済し、年金で穏やかに暮らす」ことが一般的なモデルとされてきました。
しかし近年は、退職金の平均支給額が減少傾向にあり、さらに公的年金だけでは生活費をすべてまかなうのは難しいという現実があります。
例えば、総務省の家計調査によると、60代後半の夫婦世帯における平均支出は月約26万円。
一方、公的年金の平均受給額は月約20万円前後で、毎月数万円の赤字になるケースも珍しくありません。
また、医療費や介護費用、住宅の修繕費、子どもや孫への支援など、想定外の出費も多くあります。
この赤字を埋めるために、「貯金を切り崩す」生活を続ければ、いずれ資産は底をつく恐れがあります。

2. 「働き続ける」という選択肢を減らすために
退職後に働き続けること自体が悪いわけではありません。
体力やスキルがあり、やりがいを持てる仕事であれば、働くことは豊かな老後にもつながります。
しかし、「生活のために働き続けなければならない」という状況は、本来の老後の姿とは言えないでしょう。
そのような状況を回避するためには、現役時代からの資産形成が不可欠です。
「資産形成」とは、単なる貯金ではなく、お金を“増やす”という視点を持つこと。
インフレによる貨幣価値の下落も考慮すると、現金のまま眠らせておくのではなく、適切な投資で運用することが重要です。

3. 今すぐできる、老後に備える資産形成の第一歩
資産形成と聞くと、株式やFXといったリスクの高い投資を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、50代・60代からでも始められる、リスクを抑えた堅実な資産運用方法も数多くあります。
たとえば、
- NISA(少額投資非課税制度):毎月一定額を積立投資し、利益が非課税になる制度。少額から始められ、長期運用向き。
- iDeCo(個人型確定拠出年金):老後資金専用の制度で、掛金が所得控除対象となり、節税効果が高い。
- バランス型の投資信託:複数の資産に分散投資し、リスクを抑えることが可能。
これらは、金融知識があまりなくても始められる制度であり、将来の安心につながります。
まずは、月1万円程度からの積立を始め、資産形成を「習慣化」することが成功への鍵です。

まとめ:老後の不安を「今の行動」で安心に変える
退職金と年金だけでは不安な時代において、「働かざるを得ない老後」ではなく、「選べる老後」を手に入れるには、今からの備えが必要不可欠です。
資産形成は、何も特別な知識や大金が必要なわけではありません。
重要なのは、「知って、動くこと」。そして、時間を味方につけて、少しずつでも未来への備えを積み上げていくことです。
老後に笑顔で暮らすために。
“安心”という資産を、今から積み立てていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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